税務会計の一里塚 ~キャッシュ・フロー計算書の成立ちと役立ちNo6~
- 赤田 元日出
- 2024年12月1日
- 読了時間: 1分
前回は、
「良い赤字」について
キャッシュ・フロー計算書を用いて確認しました。
今回は、
「悪い黒字」について
同じように見ていきたいと思います。
【図1】は
利益が100計上されていますので
損益計算書でみると黒字ですから
業績は良いようです。

しかし、キャッシュ・フロー計算書に目を転じると
借入返済が200あって、現預金増減は▲100で
預貯金は、期首の1000から期末に900へ減少しています。
利益を創出していながら
資金は減少しています。
仮に、毎年100の利益が出ていたとしても
これでは、資金が徐々に減少していきますから
資金ショートして倒産するおそれがあります。
これが「黒字倒産」です。
対応策を練る場合、
借入返済が200ありますから
税金等を考慮外とすると
毎年200以上の利益を目標にして
事業戦略を考える必要があります。
「良い赤字」「悪い黒字」を見てきました。
損益に視点を合わせると
赤字、黒字に目が行きがちですが
それだけで事業の状況は判断できないということが分かります。
いずれの場合にも
実際に資金がスムーズに流れているのかを
キャッシュフロー計算書で確認する意味がここにあります。
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