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税務会計の一里塚                      ~キャッシュ・フロー計算書の成立ちと役立ち No1~

  • 執筆者の写真: 赤田 元日出
    赤田 元日出
  • 2024年8月11日
  • 読了時間: 3分

「事業(法人、個人事業)の目的は、利益計上ではなく、資金獲得である」

と、言われます。


損益計算書の上では、

利益が計上されていても、事業継続の危機に直面し、または、市場から撤退することもあります。

いわゆる、「黒字倒産」です。

一方、これとは逆に

利益は赤字でも、事業を問題なく続けていける場合もあります。


このことからも、

事業を継続、発展していくためには、

利益を計上することが、第一義的重要性はないことが分かります。

事業継続・発展に必要なのは、原資となる資金であり、

資金が(調達方法は問わず)、潤沢にあれば

少なくとも事業は継続できるのです。


以上から

事業の継続・発展には、

もちろん、損益の情報(利益計上)は必要でありますが

資金収支が重要であり、

その情報を整理すして経営に活かすことが大切であることが分かります。


ここで、下の【図1】を見てみましょう。




この【図1】は、借入の返済ある場合について

資金の出入り(収支)を、収入から支出を差し引くことで表しています。

収入1,000から、もろもろの支出を控除して、452の資金が残ったという内容です。


これを、整理し直したのが、【図2】です。

損益に影響のある売上及び経費を取り出して、「損益計算書」にまとめます。

そうすると利益(税引後利益)が552と計算されます。


元本返済は、経費ではないので

損益計算書に表示されず、

別の計算書類である「キャッシュ・フロー計算書」に表示されます。

キャッシュ・フロー計算書において、

最終的な収支増減452は確認できることになります。


損益計算書の税引後利益552と、

キャッシュ・フロー計算書の資金増減452とは

当然ながら異なります。



以上のことから、次のことが分かります。


  1. 損益計算書の利益だけを見ても、資金の増減は確定できない。

  2. 資金の動きは、キャッシュ・フロー計算書を見ることで、確認できる。

  3. 事業継続・発展の原資は、利益ではなく、資金であるので、

    キャッシュ・フロー計算書は事業継続・発展を計画したり、分析したりするのに

    重要な資料である。


また、借入がある場合の補足として、


4.上記【図2】の元本返済が「ー100」ではなく、「ー600」の場合、

 資金増減は「ー48」となり、この状況が続く場合には、貯金が目減りして

 資金不足が生じることとなる。

 資金需要を賄うことができない時には、

 利益は黒字であるが倒産するという「黒字倒産」に至る。

5.元本は、上記【図2】の通り、「税引後」利益から、返済することになる。

 これは、一般的に考えると、


 「借入返済がある→それに見合った資金増加=利益が必要→利益に対応する税金の発生」


 と、繋がっていくので、

 借入残高がある場合には、今後の税金発生にも留意して、

 損益計画・資金計画を立案していくことが大事である。


今回は、

事業(法人、個人事業)にとって、資金が事業継続・発展には重要であることから

借入返済のある場合を例に、キャッシュ・フロー計算書の必要性や役立ちを見てきました。

次回は、

固定資産を購入した場合のキャッシュ・フロー計算書の中身を見ていきます。







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